育児で大切な”待つ”という気持ち

大切な赤ちゃん

 教育とか育てるとかいうことは、”待つ”ことだと思うのです。

 今は情報が溢れていて、“この月齢でできること”のような情報はたくさん入ってきますが、何にでも誰にでも個人差があるものです。寝返りや立った・歩いた、また言葉や片付けなんかも、
「いつできるようになるかなぁ。じゃぁ今日はできたらシールを貼ってみようか…」
くらいの気持ちで、いろいろ試行錯誤しながら、ゆっくりと待ってあげるのがよいのかなと思います。

 子どもに限らず、人は必ず良い方向に自然に向いていくようになっていると思います。赤ちゃんは歩きたいし、子どもは自転車にも乗れるようになりたい。新しいことを知りたいし、勉強もできるようになりたいのです。芽さえ摘まなければ、成長しよう、発達しようという方向に進んでいきます。このことは、花や野菜を育てることと同じで、毎日水をやって待てばいい。水のやりすぎや肥料のやりすぎは植物の成長を遅らせるように、人でも過干渉は良くありません。子どもの欲することにはなるべく応えてえてあげながら、毎日待つことに喜びを感じられるようになれば、人でもものでも育て上手ということです。

 3人以上の子どもを持つお母さまと話をすると、一番下の子はとにかく早く大きくなってほしくないと口にされます。「今のこの時期はもう2度と経験できないから」と。一番下の子どもは兄姉というロールモデルがあるために、とかく早く成長しがちなのです。

 大人には毎日たくさんのやることや都合があって、子どもがしっかりして、自分で何でもできるようになると助かると思うことがありますが、成長を早くして、大人のような子どもを作ってしまうことは、成長過程が短くなった分、子どもらしい何かが失われていると感じます。子どもは大人のようになかなか明日、明後日のことを考えられないもので、今を生きているから、子どもなのです。今だけの子育てを味わい尽くしてください。