しつけはくり返し教えて、待つ

 子どもが2,3歳と大きくなるにつれて、私たち大人は少しずつしつけをしていきます。しつけというのは「基本的習慣」を身に付けさせること。具体的には、挨拶、着替え、食事、排せつ、身の回りの始末。それに、ルールを守ることと感情をコントロールすることですが、それらについて、親の希望・要望をこどもに伝えて、一つ一つできるようにしていきます。乳児期の子どもの望んだことを望んだ通りにしてあげるそれまでの依存体験とは少し違っています。

 これまでは子どもの要求を一方的に満たしてあげればよかったのですが、子どもが歩くようになり、自分の意思で行動しはじめる時期からは、しつけと依存の両方を並行して行います。

 教室に来てくれる3才さんですが、いつもドアの前でお母さまが「きちんと挨拶をしてね。」とおっしゃっているのが聞こえます。毎回毎回聞こえてきますので、”お母さますごいなぁ”と思って聞いています。”こうやって何度も何度も根気よく言い続けることによって、挨拶ができるようになるんだなぁ”と。また、スプーンやお箸を使って食べることや、着替えに関するしつけは時間が解決してくれることが多いので、できるまで見守っていただきたいと思います。

 毎回少し工夫をしてみてください。食事の際には、最初に椅子の周りにレジャーシートを敷いておくなど、片づけやすい環境を整えておくといいです。着替えは、いずれ自分でやりたがる時期が来ると思います。いつでも助けてあげますから、自分でできるところはやってみてください。というような気持ちで、少しずつできることが増えていくのが親子の楽しみになるといいですね。

子どもはこれまでにどのくらい、どういうことを十分にしてもらったかによってできることが違ってきます。親子の基本的信頼感がよく育っている子には、ある程度の厳しいしつけをしても信頼感が崩れることがないのです。