教えて、伝える、そして待つ

 私たち大人がやってほしいことを教え伝えることがしつけです。ここで大切なことは、繰り返しそのことを伝え教えながら、本当にあなたが上手にできるようになるのはいつか、楽しみに待っていてあげるからという気持ちです。その時期は自分で決めたらいいよと言ってあげ、そういう態度で接してあげることです。

 子どもたちはしつけをされることは嫌ではありません。しつけをされることはある意味では喜びで、新しいことを知ることや身に着けること、それができることで大人の仲間入りができるようになることと、喜びを感じています。子どもというのはしつけられる経験を通して、自分で自分の衝動をコントロールする、自分で自分を管理することができる力が身についていくことが嫌ではないのです。

 しかしながら、子どもと大人が同じようにできるようになることを願っていたとしても、はじめのうちは大人が願ったようには決していかないとわかっていてほしいと思います。できるようになるための時間が必要で、子どもの心の成長も必要です。いつかできるようになるだろうという期待だけで、急ぐことなく、大切なことを伝え続け、できる時期は子ども自身が、自分で決めればいいのです。