自律心を育てるには、まず依存体験

 乳児期の終わりから幼児期の後半、この時期は子どもたちの心の中に自律性という感性や機能の基盤が最もよく育つ時期であるとエリクソンは言っています。

 自律というのは、自分の衝動などを自分でコントロールする、自分で自分を律する力です。この時期に子ども任せにしてあげるから自律心が育ちます。自分で物事を決めていくという経験を積み重ねることができます。大人は「できないときは手伝ってあげるから、心配いらない」というメッセージを伝えることで、子どもの中で、信頼感と尊敬の気持ちが育っていきます。

 しつけというのは、自尊心を育てながら、社会のルールを守り、人として他人と協調して生きていくための子どもを育てるということだと思います。ですが、自律心は、実はしつけだけでは育ってはいきません。その前の乳児期の安定した依存経験がその基盤を育てます。依存経験がたくさんある子どものほうが、自律心を早く身に着けられているように感じます。