過保護と過干渉について
0歳から1歳半くらいまでの幼い子どもが望むことは何をどれだけやってあげても大丈夫だという話はよく書いてきましたが、幼児期に過保護に接することは、子どもの依頼心を大きくして自立の妨げになってしまうという人が未だにたくさんおられます。それは過保護と過干渉を混同されているのではないかと思います。
過保護とは「子どもの望んだことをやってあげてやりすぎる」ということです。小さな子どもが望むことといえば、お母さんと一緒にいたい、自由に移動したい、珍しいものに触りたい、それくらいではなかろうかと思います。できることはさせてあげて、危険なことは拒否し、また、危険がないように注意して見守るということをされるとよいと思います。2歳からは、しつけが入ってきますので、何でもかんでも聞いてあげられなくなってきます。子どもの成長に合わせて注意しながら、先回りしすぎずに応えてあげることが大切です。
過干渉は過保護とは異なり、「子どもの望んでいないことをやらせすぎる」ということです。子どもの意志や気持ちとは関係なく親がコントロールするので、子どもとの信頼関係に溝ができ、やがて子どもはストレスを溜め込むようになってしまいます。しかし、きちんと子育てをしなければという思いが強かったり、親の夢を子どもの夢と重ね合わせて考えたりしてしまうと子どもを思い通りに動かしたいと思ってしまいます。そんな時は無意識に過干渉になってしまっています。
子どもはやりたいことを行うときに自主性や自立心が芽生えます。やりたくないことをやらせて、上手くいったときだけ褒められると子どもは、言われたことだけやればいいんだと思うようになってしまいます。このような子どもは成長しても自立心が育たずに、自分がやりたいこともわからないまま、親や周りの大人の評価を気にするようになってしまうのです。 過干渉よりは過保護に。過保護でも、先回りしてやりすぎないようには気を付けて、「待つ子育て」ができるようになるといいですね。