子どもの行動に困ったとき
幼児期になると子どもは絶えず動いています。好奇心の塊のようで、水たまりがあれば、その上を歩く。土手を何度も上ったり下りたりする。道路と歩道の境の縁石ブロックの上を歩く。この時期の子どもは疲れを知らず、何度も同じことを繰り返します。そればかりか、水たまりの上を歩いたり、ブロックの上を歩くことが楽しいのです。その時に、上りと下りはこんなに違うんだということを確認しながら、落ちないように自分の運動神経を確認しながら、急いだり、転がらないように、ゆっくりと、などといろいろ考えながら実験的にやっています。これが子どもの自然な姿です。
ピアジェという有名な生物学者は、「この時期の子どもたちがやっている一連の行動は、科学の第一線で未知の分野の研究をしている科学者がやっている実験的な行為と全く同じだ。」という意味のことを言っています。
この時期にこういういたずらを、どれくらい十分にさせてあげられるかが、子どもの独創的な想像力や自発性を育てる鍵になります。自分でやることを決めて、楽しみながらのびのびとやってみる。危険なことは親や保育者に注意されて、安心してやってみる。こういうことが子どもたちには必要なことなのです。それに対して、親はあまりダメダメと言わず、命の危険が及ぶようなことでないなら、じっと見守る。一緒にやってみる。そんな風に接してほしいと思います。このような経験が後に、自分から探求できる意欲の種として子どもの中に残っていくのだと思います。